電車神柱ピクニック

　辛口のコラムニストとしてテレビ、雑誌で活躍する勝谷誠彦氏（５２）が、コメンテーターとして出演していた「たかじんのそこまで言って委員会」（読売テレビ制作、関東地区は放送なし）を降板することになった。いったいどんな裏事情があったのか。
　降板は５日、本人の有料配信メールで突然発表され、ネット上の反響が大きいため公式ホームページにも同様の長文が掲載された。
　それによると、勝谷氏は「『たかじんのそこまで言って委員会』辞めます。辞めるというこちらが主語で書いたのは『今週の金曜日（８日）の収録を最後に』と言われたので『出ません』と私から断ったからだ」と説明。読売テレビから、勝谷が所属するよしもとクリエイティブエージェンシーの担当者にクビが通告されたようだ。
　理由については「私からは書かない」としながら、テレビ朝日系「ビートたけしのＴＶタックル」の中で、「ＴＰＰ（の話題）で、私が『そこまで言って委員会？　ダメでしょう』と言ったのがクビになった大きな理由につながっている（内緒・笑）のはまことに面白い」と説明。他局の番組で、番組批判をしたのが原因なのか。
　はたまた、「この国のくろぐろとした世界が広がっている」「北朝鮮やイラクについてはかなり思い切ったことを書く私でも、自分については責任が伴うのでそうとはできないのである」と、番組をめぐる歯がゆさをうかがわせる記述もある。
　読売テレビでは「次の収録（８日）から参加されないのは事実ですが、経緯などはお答えできません」とし、よしもと側も「お答えできません」としている。
　毒舌が売りの勝谷氏だけに、とんでもない裏社会のタブーにでも触れたのだろうか。番組関係者が明かす。
　「逆だと思います。勝谷さんは、制作サイドに『もっとしゃべらせろ』と言ったり、ヤバイ箇所が編集でカットされることに不満を持っていた。積もりに積もって、『そんなんやったら、辞めます』ということになった」
　同番組は司会を務める歌手、やしきたかじん（６３）が初期の食道がん治療で休んでいたが、間もなく復帰する。東京の権力志向を嫌うたかじんの方針で、首都圏以外の北海道から鹿児島まで、ほぼ全国ネットで放送される人気討論バラエティーだ。
　レギュラー陣だった政治評論家、三宅久之氏が昨年亡くなり、勝谷氏が降板。キャスターの辛坊治郎氏（５６）もヨットで太平洋横断に挑むため４月から休む意向だ。番組としては頭が痛い年度初めとなった。
　勝谷氏は、三宅氏から「あとは頼みましたよ」と何度も言われていたというが、「キャスティングは私ができるわけではない。三宅先生、『このポンスケ！』と叱ってください」と降板の無念さをにじませている。